母は今年で89歳になりましたが、まだまだ足腰は元気です。以前は団地の4階に住んでいましたので、毎日の買い物とかでの階段の上がり降りで鍛えられたのでしょう。
母の認知症は団地にいる時から徐々に進行してきて、毎日の「物とられ妄想」によってかけてくる電話に疲れ果てていました。
フルタイムで仕事をしていましたので、そんな中何回も何回もかけてくる電話。たまたま私は営業の仕事をしていましたので、電話に出ることができ余計にしんどくなったのかもしれません。
「財布がない」「かばんがない」というたびに一時間ほどの距離を車で訪問していました。
もちろん「要介護1」の認定をうけたのでデイサービスの利用が可能になったので昼間はデイサービスで過ごしていました。
でも、認定を受けるまではとても大変でした。おそらく皆さん経験すると思いますが、本人はいたって健康なので病院に行くことを承諾しません。
健康診断だのといろいろ試しましたが「NO」の一点張りでした。
我が家の場合は、「損」をすることを嫌うタイプの母でしたので、高い介護保険料支払っているのに利用しないと損ですよ!って何度も吹き込んだのです。
そしてなんとか、「物とられ妄想」の検査をすることができ、「要介護1」と認定されたのです。
そののち我が家に引っ越すことになったのですが、それもタイミングよく団地の棟の役員に当たる年だったのです。
お金の回収などを自分がやっていて、何度も同じ人のところに行き怒られたようで、とても自信を無くしたのが原因で長年住んだ団地を出ることを決断したのです。
年寄りにとって環境を変えることはかなりの勇気がいる事のようです。引っ越しの決断に至るまで結構な年数を要しましたので。
私は一人暮らしでもありましたし、運命なのか偶然なのか会社も辞めて自分で仕事を始めていましたので、時間的には自由で、母の面倒をみるのに支障はなかったのです。
でも、いざ一緒に住んでみると想像以上に大変でした。
離れているからこそ優しくもできましたが、毎日毎日顔を合わせているとそうはいきません。
物とられ妄想が完全にこっちに向いてしまい、泥棒扱いされて大喧嘩することも多々ありました。
昔から攻撃的な性格でしたので、父と母が殴り合いのけんかをしていたことを思い出す日々が続きます。
つかみかかってくるし、かみつくし・・・
1年・・・たった1年で私のほうが根を上げた状態です。ケアマネや包括センターに相談してもなかなかラチがあかず、結局は施設に入所させるしかなくなりました。
ですが、本人もそのほうが良いとはわかっていても、なかなか「うん」とはいいません。
妹の住んでいるところの近くや私の家の近くであちこち探しましたが、「暗い」「狭い」「遠い」などなど文句ばかりです。
しかも料金はと言えば、年金ではとてもまかなえず、姉妹で少しずつ補うしかないかと・・・暗い気持ちになりました。
そんなとき入所の契約したら入所お祝い金が貰えるという「みんなの介護」というインターネットで見つけたサイトで今入所している「ケアホーム」を見つけたのです。
みんなの介護 全国にありますので参考にしてくださいね。介護保険やトラブルなどについても書かれていますので何かの時に役立つかもしれません。
これも奇跡的というか、私の自宅から歩いて5分ほどの立地なのです。しかも母が住んでいた団地のような形式で6畳の和室に押入れがあって、ベランダがあるんです。
トイレとミニキッチンが付いている台所は7.5畳くらいあります。
なんといっても、私が気に入ったのはお風呂が大浴場になっていることです。洗い場が4つしかないので一度に入れるのは4人までですが、あちこちの施設で見かける小さなユニットバスの浴室ではないのです。
入居者は毎日入浴可能です。男女で時間分けされていますので、時間さえ守れば大丈夫です。
食事は1階のレストランでいただきます。これも、他の施設のように弁当を他社から納品する食事とは違い、毎日レストランの厨房で調理して出来立てをいただけます。
もう、「ここ以外にない!」と思い面談に連れて行きましたが、その時はまだ母が精神的に荒立っていた時でしたので施設からお断りされてしまったのです。
性格がきついと入居者と問題を起こしてしまうかもしれないので難しい!とのことでした。
それでもどうしてもあきらめきれず、再度母抜きでお願いに行ったのです。
しぶしぶでしたが了承してくださいました。その代り問題がおきればすぐに退所していただきます。という念書つきでしたが。
あれから3年。施設の方も、「あの時はどうなるかと思っていたけどすっかり慣れましたね~」って言ってくださいます。
「ケアホーム」ですので、出入りは自由なのが母にも適していました。
現在ほかのホームでは、コロナ渦では面会もできない状態が続いているようです。
認知症のせいでじっとしていることができない母が、狭い部屋だけに閉じ込めれれていれば精神的にもっと悪化していたかもしれません。
こんな時期でも、散歩したりちょっとした買い物にでたりできるのでとてもありがたいと思います。
そのかわり「ケアホーム」は自分で1階の食堂まで行ける状態の人でないと入所は難しいとのことです。洗濯や入浴など自分でできることが前提になります。
母の場合は施設の中のデイサービスを月曜から土曜日まで利用していますので、その時に入浴介助していただきながら昼食もそこでいただいています。
日曜日の入浴と洗濯は、私のほうが日々おこなっていますので問題ありません。
近い!ということがどれだけ助かっていることか。そして身体が健康であることでこういうところで過ごせる母も幸せだと思います。
89歳の母も入所3年、コロナの予防注射も6月中には二回とも接種予定です。
団地生活の名残で、毎日何回も3階から階段をおりてポストの確認にいきます。ますます体力つきそうですね。
ポスト見に行っても入っているのは市の広報位なのがなんだか可哀そうになり、妹に時々でいいのでとはがきの投函を依頼しました。
きれいに折り紙を切り張りして作られたはがきは、母の楽しみになりますます階段の上り下りが増えたようです。(笑)
施設のスタッフにも見せているようで、「きれいですね~」って声をかけられます。
認知症もアルツハイマーではないようで、10年くらいたつと思いますが進行していません。薬を処方してもらっているのがあっているのかもしれませんが。
簡単な計算や、売り言葉に買い言葉みたいなのはすごくてすぐ反応します。
病院の先生にも「ほんまにぼけてんのかいな!」なんて冗談を言わせるくらい応対が機敏です。
でも、数秒前のことが覚えていられませんので何回も同じことをしたり言ったりします。これも認知症なんでしょうね~。
とにかく母をみていても、健康が一番大事なことだと痛感します。寝たきりにならないよう足腰だけは鍛えておかないと・・・最終は私もケアホームに入りたいですから。(笑)
このケアホームは、料金体系が収入により設定されていますので年金の範囲内で入所できるので文句なし!といったところでしょうか。
二人部屋の設定も何部屋かありますので、夫婦で入所されている方や姉妹で入所されている方もいます。
二人部屋はもっと広くて快適な環境だと思います。
母の場合は軽い認知症で助かっていますが、アルツハイマーの認知症の方を家族に抱えておられる方の大変さはは想像に及びません。
一人で抱え込まないで、市や地域包括支援センターに相談することをお勧めします。
施設に入れることはいけない事のように考える方もいるかもしれませんが、お互いの幸せのためでもあります。
むりをして、自分の人生まで壊してしまわないように頑張ることができれば一番ですね。